宝林寺は、滝沢馬琴の長編小説「南総里見八犬伝」に登場する主人公「里見伏姫」のモデルと言われる「里見種姫」ゆかりのお寺です。
戦国時代、第六代里見義堯の長女、里見種姫は、大多喜城主 正木時茂(まさきときしげ)の長男、大太郎(だいたろう)に嫁ぎました。永禄七年、夫の大太郎は、第二次国府台合戦(だいにじこうのだいかっせん)で戦死してしまいました。
大太郎二十五歳、種姫二十二歳の時でした。種姫は悲しみのあまり尼僧となり、その後、当地に至り、尼住居(あまずまい)を草庵します。永禄七年八月、七堂伽藍を備えた宝林寺を開基し、亡き夫の冥福を祈ったといわれています。
一時は、安房白浜に種林寺を創建し、そちらで過ごしましたが、再び宝林寺にて生涯を送り、四十八歳の時にこの地で亡くなりました。
種姫は「南総里見八犬伝」が発表された当時から、伏姫のモデルであると伝えられてます。物語の主人公になるくらいですので、美しい姫君であったと想像されています。
<見どころ>
尼住居跡 → 覆土(ふくど)があり塞がってしまっていますが、奥には洞穴があり、そこを尼住居としていました。
霊廟 → 種姫のお墓と、土屋家都留姫のお墓があります。
お位牌 → お堂内には種姫の位牌があります。
老古木 → 見返りの梅、夫婦梅など希少品種の老梅があります。
一度、伽藍は全焼しており、本堂は約250年前に再建されました。
お堂の天井画には、姫野愛犬が描かれています。
※地域の方が参拝するお寺です。心静かにお参りください。
住所 | 千葉県市原市朝生原783 |
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電話番号 | 0436-96-0255 |
交通アクセス | 養老渓谷駅から徒歩約10分 |