国指定の文化財などが多く残る八幡宮。「子育て八幡」と呼ばれ、縁結びと子育てに霊験があると崇敬を集めてきた。その象徴が創建当時に植えられえたと伝わる『夫婦銀杏』。太い幹が2本に分かれた姿は古木らしく立派なもの。祈願にも、子どもの夜泣きを鎮める「虫封じ」、出雲へと集まる「虫封じ」、出雲へと集まる神々を送り出す神事で縁結びを願うと良縁になると言う「神立祭」などがある。
飯香岡八幡宮本殿(国指定重要文化財)
源頼朝・足利尊氏・徳川家康と武家の信奉も篤い古社
「一国一社の国府八幡宮」と呼ばれる由緒ある古社で、創建は白鳳年間と伝えられている。県内の神社建築において、重要文化財とされているのは香取神宮と本社、美しく荘厳な雰囲気。
夫婦銀杏
縁結びと子育てで信仰をあつめる、旧港宿場町の象徴
社伝によると、天武4(675)年3月、八幡宮勧請の記念に植樹されたという。葛飾北斎の漫画にも登場するなど、その存在は江戸時代から広く知られていた。太さ目通り約11m、高さは各々約16mと17mを測る大銀杏。
放生池
境内にある庭園。奈良時代に始まった神事で、捕らえられた動物を自然へと放し、慰霊する「放生」が、八幡宮でも行われていたが、当時は社近くの海で行っていた、海岸が遠くなったため、境内に池を作ったとされる。
逆さ銀杏
房総に残る頼朝伝説のひとつ、社務所前の保護樹木となっている銀杏の木は、飯香岡で先勝祈願を行った頼朝が、銀杏の枝を「戦に勝てるならば根付く」と逆さに植えたとされる。
直木賞作家・立野信之文学碑(昭和の文豪を訪ねて)
境内に建てられている、自伝的小説『流れ』の一節が刻まれた文学碑。文中に登場する「海岸べりの神社」が飯香岡八幡宮で立野は青春時代に散策の場として、この境内を好んだ。
立野信之
明治36年、市原郡五井町生まれ、五井町役場に就職したが退職。プロレタリア文芸運動後、転向して戦後は現代史を題材に作品を発表。昭和27年、二・二六事件の『叛乱』で第28回直木賞を受賞。
県指定民俗文化財 柳楯神事(秋季大祭の中心的行事)
柳でつくった楯を、司家(作成)→光善寺(出振舞)→市原八幡(拝礼)→阿須波神社(旅祈願)→五所町民館(引渡・2日目出振舞)→飯香岡八幡宮(秋季大祭へ)と行列をなして運ぶ。
住所 | 千葉県市原市八幡1057-1 |
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電話番号 | 0436-41-2072 |
交通アクセス | JR内房線八幡宿駅西口から徒歩約3分 |